Flight Location
ドローン飛行場所の管理者確認|河川・道路・鉄道・公園で必要になる確認
航空法の飛行許可・承認を受けても、それだけで飛ばしてよい場所が決まるわけではありません。国土交通省も、飛行許可・承認申請とは別に、飛行を希望する地域で飛行が可能かを必ず確認し、管理者等に対し必要な手続を済ませるよう案内しています。河川、道路、鉄道、公園、公共施設、私有地、港湾などでは、それぞれ別の法令や条例、土地・施設の管理者への確認が必要になる場合があります。このページでは、飛行場所を決める段階で何を調べればよいのかを整理します。
Two Layers
航空法の許可・承認と、場所の確認は別のものです
ドローンの飛行にかかわる確認は、大きく2つの層に分かれます。1つは航空法にもとづく飛行許可・承認で、飛ばす空域と飛ばし方について、国土交通大臣の許可・承認が必要かどうかを判断するものです。もう1つが、その場所を実際に使ってよいかという確認で、土地や施設の管理者、別の法令や自治体の条例が関係します。
国土交通省は、飛行許可・承認の手続を案内するページで、小型無人機等飛行禁止法や地方公共団体が定める条例等により飛行が禁止されている場所・地域があること、飛行許可・承認申請とは別に、飛行を希望する地域で飛行が可能かを必ず確認し、管理者等に対し必要な手続を済ませるよう案内しています。
※ 航空法上は許可・承認が不要な飛行(カテゴリーI)でも、この2つ目の確認は必要です。「許可がいらない=どこでも飛ばせる」ということにはなりません。
By Location
場所ごとに確認すること
結論は飛行の内容によって変わります。まずは「誰に確認すべきか」を特定します。
| 河川・河川敷 | 河川区域内の土地を占用する場合や、工作物を新築・改築・除却する場合は、河川管理者の許可が必要です(河川法第24条・第26条)。離着陸地点の設定や機材の設置の仕方によって、確認が必要になることがあります。河川敷がグラウンド等として占用されている場合は、その占用者のルールにも従う必要があります。 主な確認先:河川管理者(国・都道府県等)/河川敷の占用者 |
|---|---|
| 道路 | 道路において工事や作業をする場合、ロケーションをするなど一般交通に著しい影響を及ぼす方法で道路を使用する場合は、所轄警察署長の道路使用許可が必要です(道路交通法第77条)。道路に工作物を設けて継続して道路を使用する場合は、道路管理者の占用許可も関係します(道路法第32条)。 主な確認先:所轄警察署長/道路管理者 |
| 鉄道 | 停車場その他の鉄道地内にみだりに立ち入ることは禁じられています(鉄道営業法第37条)。線路や駅の近くで飛行させる場合、線路への墜落や運行への影響が想定されるため、鉄道事業者への確認が必要になることがあります。 主な確認先:鉄道事業者 |
| 公園 | 国の設置に係る都市公園では、一定の行為が禁止され、また公園管理者の許可が必要な行為が定められています(都市公園法第11条・第12条)。地方公共団体が設置する公園は、条例や規則、公園管理者の定めによります。ドローンの使用を禁止している公園は少なくありません。 主な確認先:公園管理者/自治体の条例・規則 |
| 学校・病院・公共施設 | 敷地内から離着陸させる場合や機材を設置する場合は、原則として施設管理者への確認・承諾が必要です。敷地上空を飛行する場合についても、飛行高度・経路・施設の性質・管理規則等によって、事前の確認や調整が必要となることがあります。人が多く集まる施設では、飛行の時間帯や周知の方法についても確認が必要になることがあります。 主な確認先:施設管理者 |
| 私有地 | 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶとされています(民法第207条)。離着陸や低空での飛行、撮影を行う場合は、土地の所有者・占有者の承諾を得るのが基本です。 主な確認先:土地の所有者・占有者 |
| 港湾・海上 | 特定港内または特定港の境界附近で工事または作業をしようとする場合は、港長の許可が必要です(港則法第31条)。港湾施設の利用については、港湾管理者への確認も必要になります。 主な確認先:港長(海上保安部)/港湾管理者 |
| 重要施設の周辺 | 対象施設の敷地・区域およびその周囲おおむね1,000mの地域の上空では、小型無人機等の飛行が原則として禁止されています。詳しくは次の項目をご覧ください。 主な確認先:都道府県公安委員会等 |
| 自治体の条例・ルール | 公園、河川敷、観光地、イベント会場などで、条例や規則によりドローンの飛行を制限している自治体があります。飛行予定地の自治体の公表情報を確認してください。 主な確認先:各自治体 |
※ 表の内容は、確認が必要になり得る典型的なものです。実際に手続が必要かどうかは、飛行の目的、離着陸の場所、高度、経路、機材の設置の有無などによって変わります。
Prohibited Areas
小型無人機等飛行禁止法の対象地域
小型無人機等飛行禁止法は、重要施設とその周辺地域の上空での飛行を原則として禁止しています。対象となるのは、国会議事堂・内閣総理大臣官邸・最高裁判所庁舎・皇居等の国の重要な施設等(対象危機管理行政機関の庁舎、対象特別要人所在施設、対象政党事務所を含みます)のほか、対象外国公館等(大使館等、外国要人の所在する施設、国際会議の準備・運営のために使用される会議場施設等)、対象防衛関係施設、対象空港、対象原子力事業所などです。対象施設の敷地または区域(レッドゾーン)と、その周囲おおむね1,000mの地域(イエローゾーン)が、対象施設周辺地域として指定されます。
例外にあたる場合でも、事前の通報が必要です
- 対象施設の管理者、またはその同意を得た者が行う飛行
- 土地の所有者もしくは占有者(正当な権原を有する者)、またはその同意を得た者がその土地の上空で行う飛行
- 国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
これらにあたる場合は禁止の規定が適用されませんが、あらかじめ、対象施設周辺地域を管轄する都道府県公安委員会等へ通報しなければならないとされています。この通報は、原則として飛行を開始する時間の48時間前までに行う必要があります(災害その他緊急やむを得ない場合の取扱いは別に定められています)。通報は警察署の窓口のほか、e-Gov電子申請サービスからも行うことができます。違反した場合の罰則も定められています。
※ 対象防衛関係施設や対象空港のレッドゾーンでは、一般の対象施設とは例外の取扱いが異なる場合があります。飛行前に、対象施設ごとの最新の指定状況、同意、通報等の要件をご確認ください。
※ 対象施設は指定により追加・変更されます。飛行予定地が対象施設周辺地域に含まれるかは、警察庁および各施設の公表情報で確認してください。
How To
飛行場所の確認の進め方
Step 01
飛行場所と経路を地図上で特定する
離陸地点、経由地、着陸地点と、飛行する範囲を地図上で決めます。飛行範囲が広いほど、関係する管理者や法令も増えます。
Step 02
航空法上の許可・承認の要否を確認する
人口集中地区や空港等周辺空域との重なり、飛行の方法(夜間・目視外・30m未満など)から、カテゴリーと許可・承認の要否を確認します。
Step 03
飛行場所周辺の地上のリスクを洗い出す
飛行範囲の周辺にある線路、河川、海岸、幹線道路、公園、建造物、送配電設備、学校、病院、公共施設などを確認します。ここで挙がった対象が、次のステップで確認すべき相手につながります。
Step 04
管理者・関係機関を特定して確認する
土地・施設の管理者、道路を管轄する警察署、河川管理者、鉄道事業者、自治体などを特定し、必要な確認・届出・許可の手続を進めます。回答までに時間がかかることがあるため、飛行日から逆算して着手します。
Step 05
飛行計画を通報し、記録を残す
特定飛行を行う場合は、あらかじめ飛行計画を通報し、飛行日誌に記載します。管理者への確認内容も、次回以降のために記録として残しておくと運用が安定します。
Merge Flight Check
診断ツールで分かること・相談後に確認できること
地上のリスク情報は、診断画面にすべてが表示されるわけではありません。
診断画面で確認できること
当事務所の無料ツール Merge Flight Check では、地図上で飛行エリアを指定し、人口集中地区(DID)、空港等周辺空域、小型無人機等飛行禁止法の対象区域、工業専用地域などとの重なりを表示できます。そのうえで、航空法上の許可・承認の要否を一次判定します。
ご相談をお送りいただいたあとに、当事務所側で確認すること
線路、河川、海岸、幹線道路、公園、建造物、送配電設備、学校、病院、公共施設などの地上ハザード情報は、診断画面にそのまま表示されるものではありません。診断結果から行政書士への相談をお送りいただいた場合に、当事務所で地上ハザード調査を行い、出発地・経由地・目的地・飛行経路・飛行範囲の周辺にあるこれらの対象を確認します。
検出された情報をもとに、飛行時に注意すべき場所を地図上で確認するとともに、航空法以外の法令・条例、土地・施設管理者への確認、関係機関への届出・申請などが必要となる可能性を整理し、今後の対応をご案内します。
※ 管理者の特定、関係機関への照会、届出・申請書の作成など、個別の調査・手続が必要な場合は、内容を確認のうえ別途お見積りします。
Misunderstandings
飛行場所についてよくある誤解
飛行許可を取っていれば、どこでも飛ばせますか。
いいえ。航空法の許可・承認は、空域と飛行の方法についてのものです。国土交通省も、飛行許可・承認申請とは別に、その地域で飛行が可能かを確認し、管理者等に必要な手続を済ませるよう案内しています。
河川敷や公園は公共の場所なので、自由に飛ばせますか。
いいえ。河川区域内の土地の占用や工作物の設置には河川管理者の許可が関係しますし、公園は都市公園法や自治体の条例・規則によって行為が制限されています。ドローンの使用を禁止している公園も少なくありません。
上空を通過するだけなら、土地の所有者は関係ありませんか。
土地の所有権は法令の制限内において土地の上下に及ぶとされており、高度や飛行の態様によっては問題になり得ます。離着陸や低空での飛行、撮影を伴う場合は、所有者・占有者の承諾を得ておくほうが安全です。
診断ツールに表示されない場所なら、確認は不要ですか。
いいえ。条例、土地所有者・施設管理者の許可、電波法、道路使用、河川・港湾・公園等の個別規制などは、診断結果に表示されない場合があります。飛行前に関係先への確認をお願いします。
確認にはどのくらい時間がかかりますか。
確認先や内容によって異なります。関係機関への照会や届出が必要な場合は、回答までに日数がかかることがあるため、飛行予定日から逆算して早めに着手することをおすすめします。
Our Support
当事務所で対応できること
- 飛行場所・関係法令の調査と、管理者・関係機関への確認・照会
- 地上ハザード調査にもとづく、確認先・確認事項の整理
- DIPS2.0での飛行許可・承認申請の代理対応
- DIPSへの機体登録、操縦者登録
- 飛行計画の通報や飛行日誌など、飛行後まで続く運用の支援
管理者の特定、関係機関への照会、届出・申請書の作成などが必要な場合は、内容を確認のうえ個別にお見積りします。申請代行の基本料金と追加料金の考え方は、ドローン申請代行の料金をご確認ください。
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関連するページ
- ドローン関連業務の全体像と支援内容:申請代行から運航管理まで、当事務所の対応範囲をまとめています。
- 包括申請と個別申請の違い:飛行経路を特定しない申請と、その制限を整理しています。
- 目視外飛行に必要な許可・承認と機体認証の関係:道路や鉄道を横断する飛行の考え方も含めて整理しています。
References
参考・出典
- 国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」(飛行許可・承認申請とは別に、地域での飛行可否の確認と管理者等への手続を求める案内)
- 警察庁「小型無人機等飛行禁止法」(対象施設、通報の方法)
- e-Gov法令検索「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」(対象施設周辺地域の範囲、第10条の禁止と例外、通報義務)
- e-Gov法令検索「河川法」(第24条:土地の占用の許可、第26条:工作物の新築等の許可)
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第77条:道路の使用の許可)
- e-Gov法令検索「都市公園法」(第11条:行為の禁止等、第12条:許可を要する行為)
- e-Gov法令検索「港則法」(第31条:工事等の許可)
- e-Gov法令検索「鉄道営業法」(第37条:鉄道地内へのみだりな立入り)
- e-Gov法令検索「民法」(第207条:土地所有権の範囲)
※ 掲載内容は2026年9月時点で上記の一次情報を確認して作成しています。制度や運用、自治体のルールは変わることがあります。実際の飛行にあたっては、最新の公表資料をご確認いただくか、当事務所へご相談ください。

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