この記事でわかること

  • 霧の中でドローンを飛行させる際の注意点
  • 霧がセンサーや機体の挙動に影響する可能性
  • 実際の実証実験で発生した事象
  • 飛行前に確認しておきたい気象情報
  • 霧が発生した場合の安全な運航判断

霧はドローンの飛行に影響することがあります

ドローンを安全に運航するためには、風や雨だけでなく、霧による影響にも注意が必要です。とくに春と秋は霧が発生しやすい季節となります。

霧が発生すると視程が悪化するだけでなく、機体に搭載されているセンサーの種類や飛行環境によっては、機体の制御や離着陸時の挙動に影響する可能性があります。

私自身、2026年5月に福島県南相馬市の福島ロボットテストフィールドで行われた実証実験で、濃霧の中でドローンが降下できなくなる事象を経験しました。

福島ロボットテストフィールドで実際に発生した事象

当日は福島県浜通り地方に濃霧注意報が発表されており、福島ロボットテストフィールド周辺も視界が大きく制限される状況でした。

実証実験中、飛行していたドローンを降下させようとしたところ、通常どおり高度を下げることができず、非常に遅い速度でしか降下できない状態になりました。その間、バッテリー残量が低下しつづけたため、墜落の危険もありました。

当時の状況から、機体の対地センサーが霧の影響を受け、地面との距離を正常に認識できていなかった可能性が考えられました。

結果として機体が直ちに制御不能になったわけではありませんでしたが、通常とは明らかに異なる挙動でした。

こうした経験からも、霧は単に「見えにくくなる」というだけではなく、搭載センサーを含めた機体システムへの影響も考えて運航する必要があると感じています。

実際の霧の様子

ここに当日の動画を掲載します。

2026年5月、福島ロボットテストフィールドで撮影したものです。

映像からも、周辺施設や遠方の視認が難しいほど霧が発生していたことが確認できます。福島ロボットテストフィールドは海が近く、海側から霧が急速に流れてくる海霧のような状況でした。このようなケースは、北海道や東北地方で飛行されるお客様から伺う機会が何度かありました。

霧の中で特に注意したいポイント

1.視界・視程の悪化

霧が発生すると、機体の位置や姿勢、周辺の障害物を目視で確認することが難しくなります。

特に目視による機体監視を前提とした運航では、視界が十分に確保できているかを慎重に判断する必要があります。

「飛ばせるか」だけではなく、異常が発生した際にも安全に機体を確認・回収できるかまで考えることが重要です。

2.機体センサーへの影響

ドローンには、機種によってさまざまなセンサーが搭載されています。

例えば、

  • 下方・周囲のビジョンセンサー
  • 距離を測定するセンサー
  • 障害物検知センサー
  • 高度維持に使用される各種センサー

などです。

霧、水滴、低照度などの環境条件によって、一部のセンサーが通常どおり機能しない可能性があります。

どのような環境条件で性能が制限されるかは機種によって異なるため、使用する機体の取扱説明書やメーカーが示す動作条件を事前に確認しておくことが重要です。

3.離着陸時は特に慎重に判断する

今回経験したのも降下時の事象でした。

地面に近づく場面では、対地距離を検知するセンサーなどが飛行制御に関係する場合があります。

通常時と比べて、

  • 降下速度が極端に遅い
  • ホバリング位置が不安定
  • 意図した操作と異なる挙動をする

などの変化を感じた場合は、無理に操作を継続せず、安全確保を優先する必要があります。

飛行前に気象情報を確認する

ドローンを飛行させる際には、現地の天候を見るだけではなく、事前に気象情報を確認することも重要です。

特に、

  • 濃霧注意報
  • 雷注意報
  • 強風注意報
  • 雨や雪の予報
  • 現地の視程

などを確認しておくと、飛行可否を判断する材料になります。

また、出発時には問題がなくても、飛行場所で急に霧が発生することもあります。

そのため、飛行前だけでなく、運航中も気象状況の変化を継続的に確認することが大切です。

今回の実証実験でも、機体そのものは飛行できていました。

しかし、降下時に通常とは異なる動作が発生しました。

こうしたケースを考えると、

機体が離陸できるから飛行を続ける

のではなく、

異常が起きた場合にも安全に対応できる条件が整っているか

という視点が重要になるかと思います。例えば、飛行経路上にあらかじめダイバートポイント(目的外着陸地点を設定)しておくなどです。

まとめ

霧が発生している環境では、

  • 視程の悪化
  • 機体の視認性低下
  • センサーへの影響
  • 離着陸時の異常な挙動

などに注意する必要があります。

私自身も福島ロボットテストフィールドでの実証実験で、濃霧の中、機体が通常どおり降下できなくなる事象を経験しました。

飛行前には気象情報と機体の使用条件を確認し、霧が発生している場合や運航中に通常と異なる挙動が見られた場合には、飛行計画を見直す、延期・中止することも含めて安全を優先した判断をすることが重要です。


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